今日は、声優志望の皆様に、本を紹介します!
【目次】
作品データ
本日、ご紹介する書籍はこちら。
大塚明夫氏著「声優魂」(星海社新書)
(2015年3月出版 星海社「ジセダイ」レーベル)
「大塚明夫さん」と言えば、声優に憧れる人、とくに男性ならば、誰もが知っている人物じゃないかな。
代表作は『メタルギア』のスネーク役や、『攻殻機動隊』のバトー役、『ワンピース』の黒ひげ役、ニコラス・ケイジの吹き替えなどなど。
わたしもよくスマブラのスネークの声真似して遊んだから、親近感がありますね!
ちなみに父は声優・大塚周夫さんで、本著にはお父さんとのエピソードも散りばめられていました。
「声優だけはやめておけ」
そんな声優界の第一人者のひとりとも言える大塚明夫さんが「声優なんてやめておけ」なんて目を引く帯の本を書いたのなら、まあわたしたち声優志望は読むしかないな!って感じですね。
内容は、大塚さんの半生を振り返ったりのほっこりエピソードもありますが、文中には「即刻やめたほうが良い」という言葉はじめ、「声優という業界の実情やシビアさ」を教えてくれたり、「声優を目指す甘い考えの若者への苦言」といった厳しいもの。
耳が痛いなあと思うところもしばしばあるけれど、中途半端に声優に足を踏み入れているわたしは、身が引き締まる思いで拝読いたしました。
もちろん、厳しいお言葉だけでなく「声優」というものがどんなものか、という実情もたくさん書かれていました。
- いったいどんな仕事を、どんな人たちと、どんな場所でしているのか
- 声優の仕事の決まり方や、給料のこと
- 声優として食っていくために考えなければいけないこと
- 事務所と声優の関係
など、これから声優を目指したい人にも、有益な情報が盛りだくさん。
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「第三章」は一読の価値あり
特に、個人的に「第三章」は、繰り返し読んでいます。
「人生・声優という仕事への考え方」など観念的なアドバイスも多いのですが、第三章は実践的なアドバイスが多く、専門学校の講師は教えてくれないけれど、声優として生きていくなら絶対に役立つであろう知識がたくさん。
「演じる」ということが本当に好きな人なら、すごく納得できる内容だと思いますし、大きな指標になる言葉がいくつもありました。
本作のオススメ度
★★★★☆ (4/5点) かなりオススメ
少し厳しい言葉が多くて、そんなこと言っても今の若い世代の声優は違うんだ!なんて言い返したくなる。
けど、きっとそれすらも自分の中の甘えなんだと思います。
最近、自分が今の自分に甘んじている、向上心が欠けてる、なんて人は、自分を奮い立たせる良いカンフル剤になるはず。
もっとも、一番この本を読むべきは、「甘え」に自覚のないまま「声優」という生き方を選んでしまっている人なのかもしれません。