発声練習や演技の練習をしていると、滑舌が難しくて「どうしても言えない!」という言葉に出会うことがあると思います。
「どうしても言えない言葉」に出会ってしまったとき、皆さんはどうしていますか?
ひたすら口に出して練習してみるけれど、ドツボにハマってしまって益々言えなくなり、イライラするやら悲しくなるやら…。
で、なんとか奇跡的に言えても、翌日練習してみるとやっぱり言えない!
こんなことが往々にしてあると思います。
そんな方のために、今回はわたし流の「言えない言葉対処法」をご紹介します。
万が一現場で出会ってしまったときにも、この対処法を知っていれば対応できますよ!
(でも現場で出会ってしまうとけっこう焦るので、日頃から「言えない文字列」を潰しておけると良いですね。)
では、対処法をご紹介します。
1.分析する
まずは言えないポイントを分析します。
どこが言えないのか、どうして言えないのか、落ち着いて探してみましょう。
私の持論ですが、発音が難しい言葉は、二つの場合に分けられると思います。
①口周りや舌の筋肉が上手く動いていなくて言えない場合と、②似た発音が多くて頭が混乱している場合です。
①は、正確な滑舌フォームを繰り返し練習する必要があります。
まずは自分が発音できていない音を探してます。
自分の声を録音して、じっくりと聞いてみてください。
タ行とラ行が同じ発音になってしまっていたり、母音の「イ」と「エ」が同じ口の形になってしまっていたりしませんか?
原因が分かったら、正しい発音ができる舌の位置や口の形を探って、それが自分の口や舌に馴染むまで繰り返してみてください。
スポーツ選手が何度も素振りを練習して美しいフォームを追求するように、丁寧に、熱心にトライしてみましょう。
②は、文字列を整理してみましょう。
たとえば「アンドロメダ座だぞ」という言葉は、「ダ・座・だ・ぞ」の部分が鬼門です。
ダ行とザ行という二つの発音の似た行が連続していることで混乱してしまい、言えなくなります。
「DA・ZA・DA・ZO」と、D・Z・D・Zの順で並んでいることを意識しながら読んでみると、読める確率がグッとあがるはずです!
2.ゆっくり練習する
スーパースローモーションで、口の動きを確認しながら発音してみます。
その際、音を伸ばしながら言うのではなく、一つひとつの音を区切りながら練習してください。
例えば「なぁ~にぃ~ぬぅ~ねぇ~のぉ~」ではなく「な…に…ぬ…ね…の…」というイメージです。
また、スローで発音すると無声化になる部分を有声化してしまいがちなので注意してください。
無声化する部分は無声音のままで練習してくださいね。
スローで言えるようになってきたら、徐々にスピードを上げていきます。
3.母音で練習する
分析して、ゆっくり練習してみてもなんだか上手くいかない場合、発音の基盤である「母音」の発音に問題があるかもしれません。
日本語は、一つの音の発音に占める割合は「子音が2割、母音が8割」なのだそうです。
ですから母音が美しく発音できれば全体の明瞭さが上がりますし、逆に母音が乱れていると子音を練習しても効果は薄いと言えます。
ではどのように母音で練習するかをご説明します。
方法は簡単で、子音を取り除いて発音するだけです。
「あめんぼ あかいな あいうえお」→「あえんお ああいあ あいうえお」
「うきもに こえびも およいでる」→「ういおい おえいお おおいえう」
こんな感じです。簡単ですよね!
母音の違い(とくに「い」と「え」、「う」と「お」など)をはっきりと区別しながら練習してみてくださいね。
以上が「どうしても言えない言葉」への対処法です。
滑舌に悩んだ時、ぜひ参考にしてみてください。
ひたすら闇雲に練習するのではなく、効率よく!楽しく!練習していきましょうね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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