こんにちは!
本日は「読解力」についての徹底解説【第2弾】です。
前回の記事では、読解をする際のポイントや手順をお伝えしました。
まだご覧になっていない方は、先にお目通しください。
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それでは、第2弾では「読解力をアップさせるための具体的な練習方法」についてお伝えしていきます。
【目次】
【読解力を磨くには?】
第1弾で記した読解のポイントを参考に、ぜひ以下に記す方法を実践してみてください。
自己流で闇雲に台本に向き合うのではなく、効率よくスキルアップを目指していきましょう!
★まずは「多読」よりも「精読」
たくさんの文章や作品を読むこと(=「多読」)は、語彙力を培ったり、幅広い知識を得たりするのにはとても有用です。
ですが、最初は、ひとつひとつの文章や作品を時間をかけて丁寧に読み解く「精読」から始めるのがオススメです。
易しい練習問題を解きながら、解法を自分の中に落とし込んでいくようなイメージです。
読み込む題材は、できれば最初は文章量の少ないものから始めてみてください。
例えば、声優学校・養成所で貰った課題、声優教本などに載っている数ページの会話劇、好きな漫画や小説や戯曲の一部をを抜粋したもの…など。
当ブログにある台本でもOKです。
読解のメソッドをある程度体得できたら、長い台本へチャレンジしたり、多読へと切り替えて、色んなジャンルの作品を読み解く実践練習をしてみてくださいね!
★秘密道具「四色ボールペン」
精読をする上で、個人的にイチオシなのがこちらの方法です。
用意するものは「黒」「赤」「青」「緑」の入った四色ボールペンです。
このペンを使って、台本に書き込みをしていきます!
(※台本をキレイなままとっておきたい場合はコピーをとり、コピーの方に書き込みましょう。)
ペンは、できれば消せるタイプのボールペン(「フリクション」「ユニボール R:E」など)を使用するとよいです。
誤字をしたり、考えを改めたりした場合に便利です。
また、とにかくたくさん書き込むので、芯の太さは0.38や0.5など細めのものをお勧めします。
↓このようなボールペンです。
では、四色ボールペンを使った読解練習のプロセスをご説明します。
まず最初は一読して、台本の全体を把握します。
次にペンを用いて、自分の考えを書き込んでいきます。
台本を読み進めながら気づいたことや考えたことを、インクの色で分類しながら、どんどん書き出してみてください。
分類の仕方は以下の通りです。
―――
「赤」…重要度の最も高い項目。
私の場合は、演技をする上でキーとなるような情報を赤色で書きます。
一番意識すべき事柄、必ず立てたい言葉(立てたい=目立たせたい、大切にしたい、という意味です。よく使います。)等を赤い文字で書いたり、囲んだりします。
「青」…重要度のやや高い項目。
私の場合は、核となるほどではないけど大事なことを、青色で書いています。
「緑」…重要度は低いけれど、自分なりの考えや、面白いエッセンス。
私の場合は「もしかしたら、こうかもしれない」とか「こんな風にやってみたらどうだろう?」という案のようなものを書き留める時に、緑色を使います。
オリジナリティや遊び心を担う部分です。
「黒」…台本の訂正やフリガナなど。
台本の文字と同化する色なので、混同を避けるため、自分の考えなどは黒では書かないようにしています。
(逆にシャープペン等の黒一色で書き込んでしまうと、台本の文字が黒いことも相俟って、大切なことも些細なことも一緒くたになってしまいます。)
―――
このように情報ごとに色を変えて分類することで、思考を視覚的に整理することができます。
更に、別日に台本を見返した時に、以前どこまで考えたのかが分かりやすいことも、四色ペンを用いるメリットです。
余談ですが、実際に現場で演技をする際にも、四色ボールペンはとても便利です。
私の場合は、ダメ出しやアドバイスなどは赤色でさっと書き込んだり、映像の情報(タイムやセリフの入り、注意する口や身体の動き等)は青色でメモしておく…などと決めています。
台本を見ながら演技をする際に、大切な情報を見落とさずに済むので、大活躍です。
☆ちなみに、この方法はこちらの本から着想を得ています。
私がまだ子供だった頃に出会った本ですが、勉強にとても役立ったのがこちらの読書法でした。ご興味がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
★勝手に「ブレインストーミング」
次にご紹介する読解のトレーニングは、声優学校のレッスンなどで行ってください。
まず「ブレインストーミング」というのは、複数人でとにかく自由にたくさんの意見やアイディアを出し合い、より良いアイディアや新しい発想を見つけ出そう!という思考方法です。
会議や研究の場で用いられることが多いようです。
この思考方法を、より多角的な読解を行うために用います。
とはいっても、声優志望仲間を複数人集めてじっくり意見を出し合う…、それを実現するのは困難な場合もありますよね。(実現できれば最高です。)
なので、それを自分一人で勝手にやってしまおう!というのが「勝手にブレインストーミング」です。
方法は単純です。
まずはレッスン等で他の人の演技を聞き、その人がどんな演技をしているかを観察して、そこから「どんな読解をもとに演技をしているのだろうか?」と考察していきます。
15人のクラスならば15通り、30人のクラスならば30通り、他人の読解のアイディアをどんどんいただけます。
もちろん、他の人の読解のなかには、魅力的なものもそうでないものも、玉石混交あるかもしれません。
ですがここでは正否よりも、「いろんな角度から読解する」「自分では気づけなかった視点を探す」ことに重点を置いてください。
自分では「変な解釈だな」と思っても、他の解釈と融合することで、新たな演技の可能性が生まれるかもしれません。
それがブレインストーミングの醍醐味です。
この練習方法の更なる利点は、意外と疎かになりがちな「アウトプットされた表現から、演者の考えを読み解く」という作業を行えることです。
演技の勉強をしていると、つい「どう演じたいか?」ばかりを考えてしまいます。
「どう演じると、他人からどう見えるか?」という、「演技を観る側の視点」を養うのにも一役買ってくれます。
【おわりに】
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
読解は、センス云々よりも、仕組みの理解と練習で伸ばすことのできる分野です。
上達の早い遅いはあれど、練習すれば必ず力をつけることができます!
焦らず、じっくり取り組んでみてくださいね。