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「演技のための読解力」手順やポイントを、声優志望さんへ徹底解説!

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こんにちは。
本日のテーマは「読解力」についてです。

声優としてお仕事をする上で絶対に欠かせない、読解力
ですが、具体的な読解の手順やポイントなどは、あまり教えてもらう機会がないと思いませんか?

読解力を磨けとよく言われるけれど、具体的にどうすれば磨けるの!?
「馴染みのある言葉だけれど、なんだか言葉の使われ方が漠然としていて、イマイチ意味がよく分かっていない…」
そんな方も意外と多いのではないかと思います。

この記事では、私が声優研修生時代の講義や稽古、そして声優として現場でお仕事をするなかで得た読解力を獲得する為のポイント」を余すところなくお伝えします。
漫然とではなく、効率的に読解力をアップさせていきましょう!

【目次】

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【そもそも読解力って?】

読解力とはその文字の通り、文章を「読」んで、理「解」する能「力」のことですね。
国語のテストでの設問をイメージする方も多いと思います。

しかし声優としてお仕事をしていくならば、ただ言葉の意味が理解できるという「学生レベルの読解力」よりもう一歩先の「演技ための読解力」を獲得したいものです。

【読解すべき情報は、大きく分けて3つある!】

それでは、「演技のための読解力」を効率よく身に着けるため、まずは読解すべき情報を整理していきましょう!

以下に挙げる「3つの視点」から情報を集めることで、より多くの「演技のための情報」を得ることができますよ!

1.表面的情報

ひとつめは、「表面的情報」
台本や設定資料に書かれていたり、映像に描かれている情報を確認していきます。

ここで整理するのは
・世界観の設定
・各キャラクターの設定
・セリフの内容、話の流れ
・演じるシーンでの、キャラクターの行動・表情(台本等に記されている場合)
などです。
資料や映像に目を通し、重要な部分はメモを取りながら把握しておきましょう。

2.内面的情報

ここからが大切なところです!

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ふたつめは「内面」
ひとつめの「表面」的な情報から更に一歩踏み込んで、キャラクターの頭の中や感情、感覚を深堀りしていきます。
これはどんなお芝居をする上でも大切ですが、とくにシリアスな内容やハートフルな作品・シーンを演じる上ではとっても重要な作業です。

表面的な情報を手掛かりにしながら、自問自答を繰り返し、台本への理解を深めていきます。
「どうしてこのキャラは、このシーンでこの言葉を使ったの?この行動をしたの?」
「自分だったら、こんな感情になるかもしれない。このキャラの場合はどうだろう?」
などと、キャラクターに寄り添って考えてみてくださいね。

表面的情報が少ない場合(オーディションの原稿など)は、表面的情報から派生した「裏設定」を作り、空想を膨らませていくのも良いですね。

→ポイント「一時的な感情、恒常的な感情」

感情を分析する際に、覚えておきたいポイントがあります。
それは、感情には「一時的に沸き起こったもの」「恒常的に抱えているもの」の二種類があるということです。

「一時的」なものは、笑っている、怒っている、焦っている、など一過性の感情を指します。
悔しがりながら泣く、など複数の感情が混ざっている場合もありますね。
こちらは比較的分かりやすいと思います。

もうひとつの「恒常的」なものは、常に抱えている感情や感覚、心の通奏低音のようなものです。
たとえば誰かを慕っている、畏怖している、自分のことが信じられない、この世界を嫌っている…などですね。

恒常的な感情は、演技のための読解に慣れていないと軽視してしまいがちですが、実は演技をするうえではかなり重要です。

なぜなら、恒常的な感情は、往々にして物語のトリガーとして用意されているからです。
逆に言うと、物語の肝となる部分は、キャラクターの恒常的な感情が変化する瞬間(=心が動く瞬間)であることが多いのです。

ですので、不用意に恒常的感情から外れるような演技をしてしまうと、そのトリガーが本来作動するべきシーンで効果的に作動しなくなってしまい、物語が破綻してしまいます。

物語のトリガーほどではなくとも、恒常的な感情は「物語のエッセンス」として組み込まれていることが多いです。
演技の整合性や説得力もなくなってしまいますので、恒常的な感情から不用意にはみ出さないよう、しっかりと把握しておきましょう。

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3.俯瞰的情報

三つめは「俯瞰」から見た情報です。
これまでは台本の中へ(特に、演じるキャラクターへ)没入してきましたが、ここからは一歩引いた視点から見てみましょう。
ここでは、俯瞰的に見るための三つのポイントをご紹介します。

→ポイント①セリフ相手の視点

自分の感情の次は、セリフ相手の感情をチェックしていきましょう。

たとえば会話の中で、相手が「バカにしないでよ!」と言い放って怒るというシーンがあったら…。
こちらは、鼻で笑うような言い方なり、鈍感すぎるような言い方なり、その場にふさわしい形で相手を怒らせる言い回しをしなければ、会話が成り立ちません。

ほかにも、
・相手がこちらを好きになるシーンだったら、どう演じたら魅力的に映るだろうか?
・演説のシーンだったら、聴衆を感服させる、または委縮させるにはどんな演技がいいだろう?

こんな風に、話す相手のセリフや状況、表情等を鑑みて、シーンが成立するように演技を構成していきます。


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→ポイント②作者(神)の視点(神視点)

次は、物語の作者の視点から「シーン全体」および「物語全体」を見てみましょう。

作者さん(原作者や脚本家の方)が書き上げたセリフたちには、全て意味や役割があります
大きな意味をもつセリフもあれば、小さな役割を果たすセリフも。
作者さんは、物語の構成やテンポなど様々なことを考えながら、より面白い作品になるようセリフを配置しています
そこを汲み取っていきましょう!

具体的には、以下の二つの問いを用いて考えてみてください。

まずは「このセリフは、このシーンに於いてどんな役割を果たすだろう?」という視点から、セリフを読み解いてみましょう。

(例えば…「このシーンの入りのセリフは、シリアスなムードへ場面転換させるためのセリフだな」と分かれば、キッパリと緊張感を持って演じるとか。また「このセリフは、この後のセリフへの布石だな」と分かれば、視聴者にさりげなく、だけどきちんと聞かせる必要がありますね。)

次に「このシーンは、物語においてどんな意味があるのかな?」という視点から、このシーンをどんな風に演じればよいか考えていきます。

(例えば…「このシーンは、シリアスな物語をほっこりさせるような箸休め的な部分だから、力み過ぎずに楽しく演じるのが良さそうだな。」とか「ここはこのキャラの影の部分を印象付けるシーンだから、いつもの明るいシーンとの落差をしっかりつけたいな。」…という具合です。)

この二つの問いは可逆的なので、順序は気にせず行ったり来たりしてもOKです。

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→ポイント③鑑賞者の視点

②の作者視点とも通ずるものがありますが、ここでは「物語の視聴者」の視点になってみましょう。
この視点からの読解は、キャスティングオーディションでも活きますよ♪

では、ここでも二つの問いをご紹介します。
一つ目の問いは「視聴者にとって、どんなキャラクターに写るべきか?」です。

・見ていると元気が出てきて、物語では周囲を引っ張っていくようなキャラ?
・健気で一生懸命で、視聴者が応援したくなるようなキャラ?
・ミステリアスで視聴者にとってどこか気になるようなキャラ?
・包容力があって「このキャラが出てきたら安心」と思わせるようなキャラ?

こんな風に「視聴者にとってどんなキャラクターに写るべきか」を考えていくと、自ずと「そのキャラクターが物語に於いて果たす役割」も見えてきますね。
更にもう一歩上級を目指すならば、自分が演じるキャラクターだけでなく、他のキャラクターがどう映るべきかを考え、そのアシストができるようになれば最高です。
(むしろ「良いお芝居では、自分の演じるキャラクターを表現しようとしない。お互いに相手のキャラクターを表現しあう。」のだと、以前演技講師の方がおっしゃっていました。)


続いて、もう一つの問いは「視聴者にとって、どんなシーンに捉えられるべきか?」です。
言い換えると「視聴者をどんな気持ちにさせたいか?」とも言えます。

端的に言ってしまうと「このシーンで泣かせたい!」「このセリフで視聴者をきゅんとさせたい!」など。
音楽などの演出や、映像作品であればビジュアルにも力が入るようなシーンですから、視聴者の心を動かすエモーショナルな演技ができるよう狙っていきましょう。

ただし、台本だけの段階だとどうしても分からない部分があります。
意図的にミスリードする場合があったり、監督さんなどが別の考えを持っている場合もあるので、できれば他の方と擦り合わせしながら演じるのがベターです。

まとめと次回のお知らせ

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!
ぜひ「表面、内面、そして俯瞰の三つの視点からの読解」に取り組んでみてくださいね。
便宜上「表面→内面→俯瞰」と追ってご説明しましたが、順番は気になさらず、行ったり来たりしてもOKですよ!

次回は、読解力を身に着けるための具体的なレッスン、トレーニングをご紹介します。
今しばらくお待ちください。

→記事を更新しました。ぜひご覧ください。
www.ayatoshi.com

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