みんな、元気かしら?
今日からは、声優志望さんには絶対に知っておいてほしい、声優として仕事をしていくうえで大切な「滑舌(かつぜつ)」について、お話していくわね。
そもそも滑舌とは?
そもそも「滑舌」というのは何かというと、言葉を滑らかに発声・発音する為の、口や舌の動きのこと。
もとはアナウンサーや役者など日本語を扱う人たちの言葉だったけれど、現在では一般の人にも浸透しているわよね。
専門学校や養成所のレッスン・授業ではもちろん、収録現場でも頻繁に使われる言葉。
現場では、発したセリフのなかに綺麗に発音できていない言葉があると、「~~というセリフの滑舌がちょっと甘いですね」なとど音響さんに「ダメ出し(指摘のこと)」をされてしまうわ。
これは、プロの声優としては好ましくないダメ出し。
あなたの声優としての評価もさがってしまうし、なるべく避けたいわよね。
なぜ滑舌が大切か?
では、どうして「滑舌」が大切なのか、という根本的なことをお話しするわ。
これから滑舌の稽古を続けていく為のモチベーションにも繋がると思うから、目を通してみてね。
日々の滑舌練習は、スポーツでいう「素振り練習」と同じ。
マイク前でのお芝居という「大切な試合」で、お芝居の中身だけに集中するために、絶対に欠かせないこと。
滑舌が出来なければ、声優なんてやる資格がないといっても過言ではないわ。
だって、マイク前では頭の中で同時に考えなきゃいけないことがたっくさんあるのよ。
アテレコだったら、マイク前の芝居中の一言を話すために、一瞬でこれくらいのことを考えるわ。
『相手のセリフは、なるほど、こういう芝居でくるのか、
じゃあ自分のキャラはどうやって返事をしよう、
さあ自分のセリフだ、
ちょっと鼻にかけた甘い声でキャラ作りしてきたから準備…
モニターの口パクのタイミングを計って…話す!
ここは距離感の遠い芝居しなきゃ、
この言葉は大切だから立てて言おう、
ここは口パクが長いから、セリフはゆっくりと…
で、セリフのこのタイミングで短い息継ぎをしなきゃ、
あ!このマイクの距離で叫んだら音割れちゃうかも!すこしマイクの芯を外して…』
なんていう大量のことを、緊張状態で頭が真っ白になりながらも、
脳内では一瞬で処理しなきゃいけない。
その間に、
「僕はラ行が苦手だから、セリフの中の全てのラ行を意識して言わなきゃ~」
なんてことを考えていたら、脳内の処理が全然追いつかないわ。
お芝居に集中するためには、意識せずとも、いつどんな時でも、「口を開けば勝手に正しい発音ができる」ことが大切なの。
逆に、「滑舌を鍛えておけば、本番でテンパる要因を一つ減らすことができて、結果自分を助けられる」ということにもなるわよね。
そして、なんといっても、
セリフの中で滑舌が難しい言葉があって、それが言えないせいで何度も何度もNGを出すのは、もう最悪。
音響さんやスタッフさん、先輩声優からは大顰蹙。
「あの新人、使えないじゃん。一体どこの事務所?誰が呼んだ(キャスティングした)の?」となってしまう。
そうならないためにも、自分を律して日々きちんと稽古し、自由自在に操れる滑舌を手に入れておくことが大切なの。
滑舌は、センスや生まれ持った声の質は、関係ない。
自分の努力がものをいう分野よ。
だからこそ、滑舌がきれいではない役者さんは、
「日々の自己鍛錬を怠っている」とか「プロとしての意識が欠如している」なんて言われてしまうのよね。
さて、次回からは具体的な滑舌練習の方法をレクチャーしていくわね。
滑舌が悪くて悩んでいる人、滑舌を良くする方法を知りたいかたは、ぜひ目を通してね。
お楽しみに!