はじめに。
ボイスサンプルの完成度を左右する、録音作業。
今回は「録音スタジオ」についてお話します。
スタジオ選びから、収録日までの事前準備、当日の持ち物リストなど。
記事の最後には、おすすめの格安スタジオのまとめもあります。
ぜひ参考にしてくださいね!
【目次】
☆おすすめ!ボイスサンプルのフリー原稿集まとめはこちら。
スタジオ録音をする必要はある?
ボイスサンプルは、自宅に機材を用意して録音することもできます。
最近は、スマホのアプリや、パソコンのフリーソフトで録音・編集できることも。
ですが、音質・品質にこだわるならば、スタジオで録音するのが絶対におすすめです。
細かな「リップノイズの除去」「音圧の調整」何百、何千本のサンプルボイスの中で選ばれなければ意味がありません。
その中で「音質が悪い」「音割れしている」「ぴちゃぴちゃ、ぱちぱちという耳障りなリップノイズが聞こえる」果てには「うっすらと、カラオケで歌ってる人の声が…」など「審査員が聞くに堪えない音質」と判断したものは、どんなにいいお芝居をしても、優先的に除外されてしまいます。
逆に、美しく迫力のある音質ならば、実際のあなたの声を正確に届けることができます。
また、音質にこだわりのない方でも、
- 録音機材の購入費用に、あまり予算をかけられない。
- 機材の置き場や、管理に困る。(マイクなどの機器は、保管場所の湿度や温度を適正に保つ必要がある)
- 環境音ノイズを排除したい(外から聞こえる車の走行音や鳥の鳴き声、家の中では時計の音や冷蔵庫・PCのブーンという動作音も、マイクは拾ってしまいます。けっこう厄介です)
- 編集などPCの操作が苦手。
こんな方は、スタジオ録音を検討してみてくださいね。
また、スタジオ録音は宅録とは違い、人前での芝居・マイク前での芝居に慣れておくこともできます。
アマチュア声優を目指している方は宅録でも十分かもしれませんが、「プロの声優になりたい!」という方には、良い経験になるのではないかと思います。
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収録日までの事前準備
納得のいく音声データを貰うために、準備できることはすべてしましょう。備えあれば憂いなし、です。
収録前日までにやること
1.スタジオを決めて、予約する。
ホームページからネット予約できる場合がほとんどです。
電話の場合は、あらかじめ希望のプランをしっかり確認し、希望の日程は第三候補くらいまで考えてから電話をかけるとスムーズです。
また、すぐの日程だと、予約がいっぱいで希望の時間に使用できない場合もあります。
期日には余裕をもって予約しましょう。
※逆に、2、3日前や当日に予約すると割引サービスがあるスタジオもあるので、事前にリサーチしてみましょう。
2.原稿を二組用意する。
自分用の原稿を作ったら、何か書き込む前に、コピーして、もう一組同じものを用意します。
収録の際に、スタジオのエンジニアさんに渡すためです。
エンジニアさんはこれを見ながら収録を進めていくので、絶対に必要なものです。
(もし忘れたという場合は、その場であなたの原稿をコピーして使うと思いますが、自分の書き込みなどを見られるのは少し恥ずかしいですよね。)
また、誤字脱字はスムーズな収録の妨げになる場合もあるので、ミスがないか、しっかり見直しましょう。
3.打ち合わせの下準備をする。
収録前に、エンジニアさんと「どんなボイスサンプルにしたいか」を軽く打ち合わせをしてから録音、というパターンが多いですが、打ち合わせ時間も貴重な時間です。
自分の要望を的確に短時間で伝えて、希望通りのものを作れるように、事前に整理しておきましょう。
打ち合わせでは、こんな感じのことを聞かれることが多いです。
- 今回のボイスサンプルを作る目的 (何のオーディションか?どんな事務所に提出するのか?など)
- アニメ声優志望か、外画(吹き替え)志望か、ナレーションがやりたいのか
- どの台本が一番得意か?
- これは譲れない、というこだわりなど。
上手く伝えられるか不安な人は、紙に書きだしておいて、当日持参するのも良いですよ。
打ち合わせで使わなくても、ボイスサンプル制作のうえで重要な指標になることなので、しっかり頭の中で明確にしておきましょう。
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4.前日までに把握しておく事柄。
万が一、予定時刻から大幅に遅刻すると、当日キャンセル扱いになりキャンセル料として全額取られてしまうこともあり得ます。
当日の行動スケジュールや、収録スタジオまでの道のり(電車の乗り継ぎ、駅からスタジオまでの地図)を把握しておきましょう。
面倒かもしれませんが、プロの声優になれば遅刻は厳禁。
とくに新人のうちは、人身事故などがあっても絶対に遅刻しないように、一時間前には収録スタジオの最寄り駅に着いて、近くの喫茶店などで時間を潰すように、マネージャーから指導されます。
今のうちから、早めに到着する習慣をつけておくといいかもしれません。
方向音痴な人や、地図が分かりにくくて不安な人は、一度スタジオまで実際に足を運んでみましょう。
備えあれば憂いなしです。
そして、大人のみなさんは大丈夫だとは思いますが、前日までに持ち物は用意しておきましょう。
収録当日にやること
当日は、声だし・滑舌練習・ストレッチなどをして、前日に決めた行動スケジュールで動けばOKです。
寝起きは声が出づらいので、遅くとも収録の3時間前には発声を済ませておきたいところです。
スタジオについたら、スタッフさんやエンジニアさんに、挨拶は絶対に忘れずに。
業界の人は、みんな挨拶を大切にします。
とりあえ発声練習も兼ねて、なるべく相手より先に、相手にきちんと届く声で「おはようございます!」「〇〇(自分の名前)です。今日はよろしくお願いします」と言いましょう。
それだけで印象が良くなります。
まあエンジニアさんは役者ではないので、そっけなく返される場合もあるかもしれませんが、それでも彼らは、役者がどう挨拶するかをきちんと見ています。
初心者の人は、最初に「スタジオでの録音は初めてです」と伝えておくと、エンジニアさんもやりやすいと思います。
収録中、わからないことは、できるだけ簡潔に聞きましょう。
うじうじしているのが一番よくないです。
録音自体は、予定時間の1/3~半分くらいで終わり、残りはエンジニアさんが整音してくれる時間なので、おとなしく待ちます。
収録が終わり、帰る際には「ありがとうございました」の挨拶を忘れずに。
当日の持ち物リスト
初めての収録には、何を用意すればいいのか困りますよね。
何度も収録へ行くうちに「自分に必要なもの・そうでないもの」が分かると思いますが、とりあえずこれを準備すれば大丈夫!というものをまとめたので、初心者さんは以下のリストを参考にしてみてくださいね!
☆必需品!絶対必要なもの
□自分用の原稿 (演技プランの書き込みなどしてもOK。)
□録音スタッフさんに渡す原稿 (自分用の書き込みはしていないもの。ファイルなどに入れ、綺麗な状態で渡すのが望ましいです。)
□指示などを書き込むためのペン・えんぴつ
(声優さんは、フリクションのユーザーが多いです。おすすめ。)
□飲み物 (常温の水がおすすめ。余計な糖分が含まれているものや、炭酸飲料はノイズの原因になりやすい。)
□スタジオ使用料 (当日払いの場合。財布には入れず、別途封筒などに入れて持っていくと便利。)
☆これも、あると便利です。
□原稿を挟んでおける、クリップボード (原稿を手で持ちながら演じたい人に。その場で原稿に書き込みをしたい時にも便利です。)
□リップクリーム (緊張したり、スタジオ内の乾燥で、唇が乾くと喋りにくいです。)
□ボイスレコーダー (あとで自分のスタジオでの芝居を振り返りたい人は、こっそりポケットに忍ばせて録音しておきましょう。「ピッ」とか電子音がならないものを。)
□ノンシュガーのタブレット (水分を摂取するだけでは、唾液は出ないので、収録の少し前になにか舐めるといいです。気分転換にも。)
□ハンカチ (スタジオのトイレには、手を乾燥させるあの機械が設置されていないこともしばしば)
ほかにも、コンタクトの人は目薬、鼻炎気味の人はティッシュなどを忘れずに持っていきましょう。
格安スタジオのまとめ
格安スタジオのホームページをまとめました。
値段も手ごろ(一時間3500円~)で、プロばかりではなく素人さんの収録なども時々こなしている、初心者でも気軽に利用しやすいスタジオを厳選しています。
スタジオの雰囲気や、料金、実績、SNS、口コミなどをチェックして、あなた好みのスタジオを探してみてください。
都内・関東
東京・上野 「HOMURA SOUND 上野」
homurasound.com
東京・品川「Crunch Studio(クランチスタジオ)」
www.crunch-studio.com
東京・恵比寿「声の達人スタジオ」
www.koetatsu-studio.com
東京・銀座外苑前「ボイスサンプル青山」
www.vcspl.jp
東京・日暮里(西日暮里)「ヒトスタ」
hitost.jp
東京・杉並区「やすろく」 ここが最安かもしれません。
yasuroku.com
大阪
大阪・東心斎橋(天満橋にも店舗あり)「P4STUDIO」
p4studio.net
大阪・天満橋「アクセルスタジオ」
accel-studio.com
自宅兼スタジオのようなので、それでも大丈夫という方はどうぞ。
まとめ
他にも格安スタジオは多数ありますが、しっかりとサイトを見て、なるべく「ボイスサンプル収録の実績」があるところを選ぶのがおすすめです。
ミキサーさんとの相性、あなたの声と機材や編集の仕方の好みなどで仕上がりは変わるとは思いますが、自宅でパソコンやスマホアプリで宅録するよりも断然良いクオリティは保たれます。
個人でのボイサン収録にスタジオを使用するのは、意外とたくさんの声優志望たちが行なっています。
初心者さんは人前でお芝居をするのは緊張するかもしれませんが、勇気を出して、トライしてみてくださいね!